「害獣駆除に使える助成金や補助金はあるの?」
「駆除費用が高そうだけど、自治体に支援してもらえる?」
屋根裏や床下に害獣が入り込んでも、費用が気になって駆除を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。
しかし、放置している間に断熱材を荒らされたり、糞尿で天井にシミができたりすると、駆除だけでなく建物の修繕まで必要になります。
害獣対策の助成金・補助金は自治体ごとに設けられており、条件に合えば防護柵や捕獲器具などの費用を一部負担してもらえます。
害獣駆除に助成金・補助金は使える?知っておくべき制度の基本
害獣対策に使える補助金はありますが、全国共通ではなく、市区町村が独自に運営しています。
自治体の公式サイトでは、「有害鳥獣対策」「獣害対策」「鳥獣被害防止」などの名称で案内されているため、農政課や環境課のページを確認しましょう。
年度ごとに予算が決められ、予算額に達すると受付が終わる制度もあります。被害に気づいたら、設備や薬剤を買う前に役所へ相談してください。
特に4月から5月は新年度の受付が始まる自治体が多いため、制度を探しやすい時期といえます。
助成金・補助金・報奨金は何が違う?制度ごとの特徴と仕組みも押さえよう
一般の住宅所有者や農業者が使いやすいのは、防護柵などの購入費を支援する補助金です。
| 制度 | 主な内容 | 支給される時期 |
|---|---|---|
| 補助金 | 防護柵/捕獲器具/設置費などの一部を補助 | 申請・審査・設置後 |
| 助成金 | 一定の条件を満たした対策費を助成 | 実績報告後が中心 |
| 報奨金 | 指定された鳥獣の捕獲数に応じて支給 | 捕獲実績の確認後 |
害獣対策では「助成金」と「補助金」がほぼ同じ意味で使われることもあり、名称だけでは内容を判断できません。
一方、「報奨金」はイノシシやシカなどを捕獲した方に支払われる成果型の制度です。狩猟免許や捕獲許可、捕獲個体の写真などを求められるため、一般家庭がすぐ利用できる制度ではありません。
国にも鳥獣被害防止総合対策交付金がありますが、個人が国へ直接申請する制度ではなく、自治体や地域協議会などが対策事業を進める際に使われます。
私のケースは対象…?補助金を受け取れる害獣・対象者・費用の条件
対象は自治体によって異なります。害獣の種類だけでなく、農作物被害か家屋被害か、申請者が農業者か一般住民かも確認されます。
ポイント①対象になりやすい害獣と対象外になりやすい動物の違い
補助対象になりやすいのは、イノシシ、シカ、サル、クマなど、農林産物や生活環境に大きな被害を与える野生動物です。
地域によっては、ハクビシン、アライグマ、タヌキ、アナグマに対応した小型箱わなや防護設備も対象に含まれます。
一方、住宅内のネズミ駆除やコウモリの追い出しに対する補助は多くありません。特にコウモリは鳥獣保護管理法の対象となるため、許可なく捕獲したり傷つけたりせず、追い出しと侵入口の封鎖を業者へ相談してください。
ポイント②補助金を申請できる対象者の基本要件と制限
市税を滞納していないこと、設置場所の所有者から同意を得ていること、過去数年間に同じ土地で補助を受けていないことなども主な条件です。
賃貸住宅では、入居者よりも建物所有者が申請者になるのが一般的です。害獣の気配に気づいたら、罠や資材を買う前に管理会社または大家さんへ連絡しましょう。
ポイント③補助対象となる具体的な費用
対象になりやすいのは、電気柵、金網柵、ワイヤーメッシュ、防鳥ネットなど、害獣の侵入を防ぐ資材の購入費です。
自治体によっては箱わなや囲いわな、狩猟免許の講習料、申請手数料、医師の診断書代も補助されます。
専門業者へ支払う駆除料金や、糞尿清掃、消毒、天井の修理費まで対象になる制度は多くありません。「害獣駆除なら何でも補助される」とは限らないため、見積書の項目ごとに確認してください。
支給額はいくら?全国の自治体における補助金額の相場と事例
補助率は対象経費の2分の1から3分の2、個人向けの上限額は数万円から20万円程度に設定される例がみられます。
| 自治体 | 主な補助内容 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 神奈川県箱根町 | 電気柵・金網柵・トタン柵など | 町民は購入費の2分の1/上限2万円 |
| 茨城県常陸太田市 | イノシシやハクビシンなどの被害防止設備 | 個人は対象経費の2分の1/上限12万円 |
| 栃木県栃木市 | 侵入防止柵・大型わな・小型箱わな | 個人の侵入防止柵は3分の2以内/上限20万円 |
| 大分県大分市 | 電気柵・鉄線柵・防鳥ネットなど | 資材購入費の3分の2以内/設備別に上限あり |
栃木市の場合だと金網の目合いを10cm以下、ワイヤーメッシュの線径をおおむね4mm以上とするなど、資材の細かな条件も決められています。
補助率や上限額だけを見て資材を選ぶと、規格が合わず対象外になるおそれがあります。
なお、補助金は後払いが中心です。いったん代金を全額支払い、完了報告と審査を経て一部が振り込まれるため、手元資金やクレジットカードの利用枠も確認しておきましょう。
損をしないための補助金申請5ステップと必要書類
- 役所へ被害状況を相談する
- 見積書・地図・被害写真を添えて申請する
- 交付決定通知を確認する
- 資材を購入して設置する
- 領収書と完了写真を提出する
申請時には、まず主に下記書類を求められます。
- 申請書
- 見積書
- 設置場所の地図
- 被害箇所の写真
- 納税証明書
- 本人確認書類
- 振込先口座 など
設置前、作業中、設置後の写真をそれぞれ撮り、領収書や製品カタログと一緒に保管してください。
写真が不足すると、設置範囲や資材を確認できず、追加提出を求められる場合があります。
自治体によっては数週間から数ヶ月かかるため、補助金が入るまでの支払いは自分で用意しておく前提で考えましょう。
補助金の申請前に必ずチェックすべき4つの注意点
申請前に確認したいのは、「購入時期」「予算残額」「捕獲許可」「自己負担額」の4点です。
多くの自治体は交付決定前の購入を対象外としています。ただし箱根町のように、設置後6ヶ月以内の申請を認める制度もあるため、必ず地元の要綱を確認してください。
また、野生鳥獣は原則として許可なく捕獲・殺傷できません。アライグマは外来生物法によって生きたままの運搬も原則禁止されているため、捕獲後に自分で別の場所へ放す行為も避けましょう。
補助金の対象であっても、無許可で罠を仕掛けてよいわけではありません。
補助金でまかなえない自己負担分も残ります。被害が災害に該当する場合などは、所得税の雑損控除を受けられる可能性がありますが、害獣被害が必ず対象になるとは限りません。
領収書や被害写真を保管し、税務署または税理士へ確認してくださいね。
助成金が使えないときはどうする?費用負担を抑える代替案
市区町村に補助制度がなくても、都道府県、JA、猟友会による支援や、捕獲器の貸し出しを受けられる場合があります。
建物が壊れている場合は、加入している火災保険の補償範囲も確認しましょう。ただし、害獣による損害は免責となる契約も多く、経年劣化や単なる汚損は補償されないことがあります。
業者へ依頼する際は、2社から3社ほど見積もりを取り、追い出し、捕獲、侵入口の封鎖、清掃、消毒のどこまで含まれるか比べてください。
害獣駆除の補助金に関するよくある質問【Q&A】
Q:都市部の普通の住宅でも補助金は使えますか?
自治体によっては、ハクビシンやアライグマによる生活環境被害も対象になります。
ただし、農業被害を受けた農家だけに限定している制度も少なくありません。市区町村の環境課や農政課へ、一般住宅も対象になるか確認してください。
Q:自分で罠を仕掛ければ報奨金をもらえますか?
報奨金を受けるには、自治体の捕獲許可や捕獲従事者としての登録などが必要です。
狩猟期間中の捕獲では狩猟免許と狩猟者登録も関係します。無許可で罠を仕掛けず、最初に自治体へ相談してください。
Q:賃貸住宅でも入居者が申請できますか?
多くの制度では、設備を設置する土地や建物の所有者、農地の利用者などが対象です。
入居者の判断で工事をせず、管理会社や大家さんへ被害を報告し、所有者側から申請してもらいましょう。
Q:補助金は何回でも申請できますか?
同一世帯につき1回、同じ土地では5年間申請できないなど、回数制限を設けている自治体があります。
災害で柵が壊れた場合や、別の害獣に対応するため改修する場合は、例外が認められるケースもあります。
Q:申請から振込まではどのくらいかかりますか?
設置後の実績報告や審査があるため、申請してすぐに入金されるわけではありません。
処理期間は自治体や申請時期によって変わります。支払い期限が近い場合は、申請前に振込時期も聞いておきましょう。
まとめ~害獣駆除の助成金は申請条件を先に確認しよう~
害獣駆除に関する助成金・補助金は、防護柵や捕獲器具の購入費を中心に、市区町村ごとに用意されています。
ただし対象となる動物、申請できる方、補助率、資材の規格は地域によって大きく異なります。
被害を見つけたら、資材を買ったり業者と契約したりする前に、自治体の農政課や環境課へ相談してください。
そのうえで複数の業者から見積もりを取り、補助対象となる作業と自己負担になる作業を分けて確認しましょう。
