「冷蔵庫の裏を掃除したいけれど、重くて動かせない⋯」
「何年も掃除していないけれど、火災や故障は大丈夫?」
一度設置した冷蔵庫は、何年も動かさない家庭が少なくありません。しかし、裏側や下部にはホコリや食べかす、油を含んだ黒ずみが溜まりやすく、そのままにすると放熱を妨げる原因になります。
特に確認しておきたいのが、通気口と電源プラグです。通気口がホコリでふさがれると冷却に余計な電力を使いやすくなり、コンセント周辺のホコリはトラッキング現象による火災を招く恐れがあります。
この記事では、冷蔵庫を安全に動かす手順から、裏側・床・コンセントの掃除方法、日ごろの汚れを減らすコツまで解説します。
冷蔵庫の裏側を掃除すべき4つの理由
まず冷蔵庫の裏掃除は、見た目をきれいにするだけの作業ではありません。
理由①放熱効率が落ちにくくなり電気の無駄を防げる
冷蔵庫の背面や側面、下部にホコリが溜まると、庫内の熱を外へ逃がしにくくなります。
熱がこもると、庫内を冷やすコンプレッサーの稼働時間が長くなり、電力を余計に消費しやすくなります。
特に室温が上がる夏は、周囲に十分な放熱スペースがないだけでも冷え方に影響します。
ただし、放熱部分の位置は機種によって異なります。背面にむき出しの放熱パイプがない冷蔵庫も多いため、説明書で掃除してよい範囲を確かめましょう。
理由②コンセント周りの火災を防げる
長期間差しっぱなしにする冷蔵庫のプラグには、ホコリが溜まりやすくなります。
ホコリが湿気を吸い、プラグの刃の間に微弱な電流が流れると、トラッキング現象によって発煙や発火に至る恐れがあります。
プラグやコンセントに焦げ跡、変色、異常な熱がある場合は、そのまま使用しないでください。
掃除の際は電源プラグを抜き、プラグ本体や刃の根元を乾いた布で拭きます。コンセント内部へ水や洗剤を入れるのは避けましょう。
理由③冷蔵庫にかかる負荷を減らせる
放熱しにくい状態が続くと、コンプレッサーが長時間動き、本体に負荷がかかります。
冷蔵庫の寿命は使い方や設置環境によって変わりますが、熱がこもる状態を放置するのは避けたいところです。特に夏場は庫内外の温度差が大きくなり、冷却運転も増えます。
最近になって運転音が大きくなった、側面が以前より熱い、庫内が冷えにくいと感じる場合は、周囲の隙間や通気口を確認してください。
理由④害虫やカビが発生しにくくなる
冷蔵庫の下や裏側に食べかすと油汚れが溜まると、ゴキブリなどが寄りつきやすくなります。
暗くて暖かく、人の手が届きにくい冷蔵庫の周辺は、害虫が隠れる場所にもなります。また、蒸発皿の周辺や床に水分が残っていると、カビや不快なニオイが発生する場合もあります。
床や壁のホコリを取り、食べかすやベタつきを残さないだけでも衛生状態は変わります。
重い冷蔵庫を安全に動かすための4ステップ
冷蔵庫は持ち上げるのではなく、底面のキャスターを使って前後へ動かすのが基本です。
手順①脚カバーを外して調整脚を緩める
冷蔵庫の下に脚カバーがある場合は、まず手前へ外して左右の調整脚を確認します。
調整脚は本体を水平に保ち、床へ固定する部品です。一般的には反時計回りに回すと緩み、底面のキャスターで動かしやすくなります。
回し方や工具は機種ごとに違います。固い調整脚をペンチで無理に回すと破損するため、説明書に記載された方法で作業してください。
手順②冷蔵庫をまっすぐ手前へ引く
冷蔵庫は左右へ振らず、壁と平行になるようゆっくり手前へ引きます。
斜めに動かすと、キャスターが床を横方向へこすり、線状の傷を残す場合があります。大型冷蔵庫や中身が詰まった冷蔵庫は、一人で無理に動かさず、二人以上で作業してください。
手順③床を養生して傷を防ぐ
フローリングの傷が心配な場合は、冷蔵庫の前に薄い養生板や専用マットを敷きましょう。
厚い毛布や段ボールは、キャスターが沈み込んで動かしにくくなる場合があります。冷蔵庫を浮かせて敷き込もうとすると転倒や腰痛を招くため、無理な持ち上げも避けてください。
設置時にポリカーボネート製の透明マットを敷けば、脚によるへこみや床への汚れ移りを防ぎやすくなります。ただし、床暖房への対応や耐荷重は商品ごとに確認が必要です。
手順④元の位置へ戻して固定する
掃除後は電源コードを本体の下へ巻き込まないよう確認し、冷蔵庫をまっすぐ元の位置へ戻します。
壁との隙間は、取扱説明書に記載された放熱スペースを空けてください。戻した後は調整脚を締め、ドアを開けても本体が前へ動かない状態にします。
電源を抜いた後の再通電までの待ち時間は、メーカーや機種によって異なります。説明書に待機時間が書かれている場合はその指示を優先し、すぐに抜き差しするのは避けましょう。
冷蔵庫の裏側と下部を掃除する手順
掃除は、乾いたホコリを取ってから、床や壁に残った油汚れを拭く順番で進めます。最初から水拭きするとホコリが泥状に広がり、黒ずみを落としにくくなります。
手順①掃除機と乾いたクロスでホコリを取る
壁面のホコリは、乾いたマイクロファイバークロスやハンディモップで上から下へ落としてください。狭い場所は薄型ワイパーを使うと、奥のゴミを手前へかき出せます。
本体の裏には配管や金属部品があるため、手を直接差し込むのは危険です。軍手をしていても、見えない場所へ無理に触れないようにします。
手順②床や壁の油汚れを中性洗剤で落とす
乾いたホコリを取った後は、薄めた住宅用中性洗剤で床や壁のベタつきを拭きます。
洗剤を床や冷蔵庫へ直接吹きかけず、クロスへ含ませてから汚れを拭き取ってください。汚れが固まっている部分は、洗剤を含ませた布を数分置いてから拭くと落としやすくなります。
最後は固く絞った布で洗剤を取り、乾いたクロスで水分を残さないように仕上げます。
手順③通気口のホコリを優しく吸い取る
背面や下部に通気口がある機種では、掃除機のブラシノズルで表面のホコリを吸い取りましょう。
ブラシや棒を奥まで差し込むと、配線やファンを傷める恐れがあります。エアダスターやブロワーで強く吹く方法も、ホコリを本体内部へ押し込む場合があるため避けてください。
カバーを外さなければ掃除できない部分は、利用者が触れてよい箇所とは限りません。説明書に清掃方法がない場合は、表面の除塵に留めます。
④電源プラグとコードを点検する
抜いた電源プラグは乾いた布で拭き、コードの亀裂やつぶれも確認します。
プラグの刃が曲がっている、コードの被覆が裂けている、焦げ臭い、触れないほど熱い場合は使用を中止してください。延長コードやたこ足配線も避け、冷蔵庫は専用コンセントへ直接差し込みます。
ホコリ防止カバーを使う場合は、プラグの差し込みが緩くならない製品を選びます。差し込みが不完全なままカバーだけを付けないよう注意してください。
冷蔵庫の掃除頻度と負担を減らすテクニックを押さえよう
毎回冷蔵庫を大きく動かすのは大変です。普段は隙間からホコリを取り、年に1回を目安に本体を動かして確認すれば、汚れが厚く積もるのを防げます。
テクニック①2ヶ月に1回は動かさずに隙間を掃除する
2ヶ月に1回ほど、薄型ワイパーを冷蔵庫の下や横から差し込み、溜まったホコリをかき出します。
専用ワイパーがなければ、針金ハンガーへ古いストッキングを巻いた道具でも代用できます。ただし、先端の針金が露出すると床や本体を傷つけるため、布で完全に覆ってください。
かき出したホコリは掃除機で吸い、冷蔵庫の周囲に食べかすを残さないようにします。
テクニック②年に1回は冷蔵庫を動かして確認する
冷蔵庫を動かす掃除は、年に1回を目安におこないましょう。
時期は、気温が高くなる前の春から初夏が取り組みやすいでしょう。夏前に通気口や放熱スペースを整えておけば、冷却運転が増える時期に備えられます。
油汚れが固まりやすい冬よりも、気温が穏やかな時期のほうが床や壁のベタつきも落としやすくなります。
テクニック③防虫対策は機種の構造を確認してからおこなう
冷蔵庫の裏に見慣れないホースや蒸発皿があっても、自己判断でキャップを付けたり塞いだりしないでください。
冷蔵庫は、庫内で発生した水を蒸発皿へ流して自然蒸発させる構造が一般的です。排水経路を塞ぐと、水漏れや故障を招く恐れがあります。
害虫対策では、ホースを加工するより、床の食べかすや油汚れを取り、壁の隙間や配管穴を確認するほうが安全です。
冷蔵庫の裏の掃除に関するよくある質問【Q&A】
Q:冷蔵庫の中身が入ったままでも動かせますか?
少量であれば動かせる場合もありますが、大型冷蔵庫は中身を減らしてから作業するほうが安全です。
特に瓶や鍋、ドアポケットの飲み物は先に出し、本体の重量と庫内で物が倒れる危険を減らしてください。
Q:掃除中に食材が傷む心配はありませんか?
短時間の掃除なら、ドアを閉めたままにしておけば急激に庫内温度が上がるとは限りません。
ただし、夏場や作業が長引く場合は、生ものや冷凍食品を保冷剤入りのクーラーボックスへ移してください。
Q:冷蔵庫を斜めに傾けても大丈夫ですか?
掃除のために大きく傾けるのは避けてください。転倒や床の傷だけでなく、本体内部の部品へ影響する恐れがあります。
設置場所から移動できない場合は、隙間ワイパーで届く範囲を掃除します。
Q:焦げ臭いニオイがしたら故障ですか?
焦げ臭い場合は、すぐに使用を中止し、電源プラグやコンセント、本体から煙が出ていないか確認してください。
安全にプラグを抜けない状況では無理に触らず、販売店やメーカー、必要に応じて消防へ相談します。
Q:自分では冷蔵庫を動かせない場合はどうしますか?
大型冷蔵庫を一人で動かすと、腰を痛めたり、本体を転倒させたりする恐れがあります。
家族に手伝ってもらえない場合や、床に脚が食い込んでいる場合は、ハウスクリーニング業者や家電の移動に対応する業者へ相談してください。
まとめ~冷蔵庫の裏を掃除して故障や火災を事前に防ごう~
冷蔵庫の裏側に溜まったホコリは、放熱を妨げるだけでなく、コンセント火災や害虫の発生にも関わります。
動かす際は調整脚を確認し、冷蔵庫を左右へ振らず、まっすぐ前後に移動させます。大型冷蔵庫は無理に一人で動かさず、床の傷や転倒を防ぐためにも二人以上で作業してください。
掃除後は電源コードの巻き込みやプラグの異常がないかを確かめ、取扱説明書に沿って元の位置へ設置します。
焦げ跡や異音、水漏れが見つかった場合は、掃除だけで解決しようとせず、早めに点検を依頼してくださいね。
