「捨てているコーヒーかすを除草に使えないかな?」
「庭に撒くだけで雑草が生えにくくなるって本当?」
毎日のようにコーヒーを飲む家庭では、抽出後のコーヒーかすが意外な量になります。そのまま捨てるのはもったいないと感じ、庭の雑草対策に再利用したい方もいるでしょう。
コーヒーかすには植物の生育を抑える性質がありますが、市販の除草剤のように、今生えている雑草を短期間で枯らすものではありません。
乾燥や散布場所を間違えると、カビが生えたり、育てている植物まで弱らせたりするおそれもあります。
この記事では、コーヒーかすに除草効果がある仕組みや、カビを防ぐ乾燥方法、庭への撒き方を解説していきます。
コーヒーかすで雑草の発芽を抑える仕組み
まずコーヒーかすは雑草を直接枯らすものではなく、”発芽や生育を抑えるもの”です。
抽出後のかすにもカフェインなどが残っており、土へ撒くと植物の成長を妨げる場合があります。
UCC上島珈琲と近畿大学の試験では、コーヒー抽出残渣を10kg/m²撒いた区画で、雑草のバイオマスが50%以上減少しました(ただし10kg/m²は、一般家庭で用意するにしてはかなり多い量です)
そのため、少量を一度撒いただけで庭全体の雑草が減るとは限りません。すでに伸びた草には効きにくいため、先に抜いてから発芽予防として使うのが現実的です。
また、時間が経つと微生物に分解され、作用も弱まります。
(出典:<学術発表>UCC_コムギ・ダイズ二毛作体系における使用済みコーヒー抽出残渣の土壌表層処理による土壌改良と雑草防除の有効性についての報告)
失敗しないための準備!コーヒーかすを乾燥させる方法
抽出直後のコーヒーかすは水分を多く含んでおり、そのまま保存するとカビが生えやすくなります。
方法①電子レンジで少量ずつ乾燥させる
少量のコーヒーかすを早く乾かしたいときは、電子レンジを使うと手軽です。耐熱皿へ薄く広げ、ラップをかけずに短時間ずつ加熱します。
600Wで1分ほど加熱したら一度取り出し、全体を混ぜて蒸気を逃がしてください。
その後は30秒ほどの加熱と攪拌を繰り返し、指で触れたときに固まりが崩れるパラパラの状態まで乾かします。
一度に大量に入れると中心の水分が残りやすいため、2~3杯分ずつ処理しましょう。
方法②フライパンで水分を飛ばす
毎日コーヒーを飲み、ある程度まとまった量が出る家庭には、フライパンでの乾煎りが向いています。油を引かずにコーヒーかすを入れ、弱火で混ぜながら水分を飛ばします。
強火にすると焦げやすく、細かな粉が舞うこともあるので、火元から離れずに作業してください。
全体が軽くなり、湿った塊がなくなったら火を止めます。
熱いまま容器へ入れると結露するため、皿やトレイへ広げ、完全に冷ましてから保管しましょう。
方法③天日干しで自然乾燥させる
電気やガスを使わずに乾かしたい場合は、晴れた日に薄く広げて天日干しします。新聞紙へ直接置くと風で飛びやすいため、縁のあるトレイや目の細かいザルを使ってください。
途中で1日に数回混ぜると、底にたまった水分も抜けやすくなります。
湿度の高い日や梅雨時は乾燥まで時間がかかり、カビが先に生える場合があります。
一日で乾かなければ室内へ取り込み、翌日も干すか、最後だけ電子レンジで仕上げましょう。
除草効果を引き出すコーヒーかすの使い方
コーヒーかすは、現在生えている雑草へ無造作に撒くよりも、草を抜いた後の地面に使うほうが目的に合っています。育てたい花や野菜から離し、まずは狭い範囲で試してください。
使い方①草を抜いた後の土へ薄く広げる
最初に雑草を根から抜き、乾燥させたコーヒーかすを土の表面へ均等に広げます。表面を覆えば、コーヒーかすに残る成分だけでなく、雑草の種へ届く光を遮るマルチングの働きも加わります。
ただし、厚く積みすぎると固まって水や空気を通しにくくなるので、最初は薄く撒いて状態を見てください。
黒い色は日光を吸収しやすいものの、家庭で撒いたコーヒーかすが地温を上げ、除草効果を明確に高めるとまでは確認されていません。
使い方②土への大量の混ぜ込みは避ける
コーヒーかすを土へ大量に混ぜ込むと、雑草だけでなく、育てたい植物の生育まで妨げるおそれがあります。
分解の途中では土壌微生物が窒素を利用するため、植物が一時的に窒素不足になる場合があります。
この作用を利用して意図的に雑草を弱らせる方法も紹介されていますが、家庭の庭では量や影響範囲を調整しにくいでしょう。
花壇や家庭菜園、樹木の根元へ直接混ぜ込むのは避けてください。
土壌改良や肥料として使いたい場合は、生のまま混ぜず、ほかの有機物と一緒に十分に堆肥化してから使います。
これだけは守って!コーヒーかす除草の注意点
コーヒーかすは天然由来ですが、場所や撒き方を誤ると、カビや悪臭、植物への影響につながることがあります。
庭で使う前に、次の注意点を確認しておきましょう。
- 乾燥が不十分なまま厚く撒かない
- 育てている植物の近くには撒かない
- 土を酸性にする目的では使わない
- ペットや子どもが触れる場所では使わない
- 広い庭ではなく狭い場所へ部分的に使う
乾燥が不十分なまま厚く撒かない
水分が残ったコーヒーかすを厚く積むと、内部が蒸れてカビや悪臭が発生しやすくなります。
使用前にしっかり乾燥させたうえで、一か所へ山のように置かず、地面がうっすら隠れる程度に薄く広げてください。
育てている植物の近くには撒かない
コーヒーかすには雑草の発芽や生育を抑える働きが期待できますが、影響を受けるのは雑草だけとは限りません。
ハーブや草花、野菜などを育てている場所へ撒くと、発芽しにくくなったり、生育を妨げたりする可能性があります。
花壇や家庭菜園では使わず、植物の根元から十分に離しましょう。
土を酸性にする目的では使わない
コーヒーは酸味があるため、コーヒーかすも強い酸性だと思われがちです。
しかし、抽出後のコーヒーかすが必ず強い酸性を示すわけではなく、土壌を確実に酸性へ変える資材としては使えません。
ツツジやブルーベリーなど、酸性土壌を好む植物の近くだから問題ないと決めつけるのも避けてください。土壌pHを調整したい場合は、数値を測ったうえで、その土に合った専用資材を使用しましょう。
ペットや子どもが触れる場所では使わない
抽出後のコーヒーかすにもカフェインが残っており、犬や猫が口にすると中毒を起こすおそれがあります。
ペットが自由に歩き回る庭や、子どもが土を触る砂場・遊び場の近くでは使用を控えてください。
広い庭ではなく狭い場所へ部分的に使う
家庭で集められるコーヒーかすの量には限りがあるため、庭全体の雑草を抑える用途には向いていません。
室外機の周囲や敷石の脇、フェンス沿いなど、雑草を生えにくくしたい狭い範囲へ少しずつ使う方法が取り入れやすいでしょう。
コーヒーかすの除草に関するよくある質問【Q&A】
Q:インスタントコーヒーの粉でも同じ効果はありますか?
除草に再利用するのは、ドリップなどで抽出した後に残るコーヒーかすです。
インスタントコーヒーはお湯へ溶かして飲む製品なので、庭へ撒くための繊維質は残りません。
未使用の粉をわざわざ土へ撒くと費用もかかり、濃度や植物への影響も調整しにくくなります。
砂糖やミルクが混ざったものも、虫や悪臭を招きやすいため使わないでください。
Q:マンションのベランダやプランターでも使えますか?
プランターは土の量が少なく影響が集中しやすいため、除草目的での使用は慎重に判断してください。
育てている植物と雑草の根が近く、コーヒーかすの生育抑制が両方へ及ぶ場合があります。
ベランダでは、湿ったかすからカビやニオイが発生すると近隣の迷惑にもなりかねません。
使うなら植物のない容器で少量から試し、排水口へかすが入らないようにしてください。
Q:撒いた後のニオイは気になりませんか?
十分に乾燥したコーヒーかすなら、散布直後に香りが残っても、通常は次第に弱くなります。
一方、湿った状態で厚く積もると、微生物による分解が進み、酸っぱいニオイやカビ臭が出る場合があります。
ニオイが強くなったら追加散布はやめ、変色やカビが見える部分を取り除いてください。
Q:コーヒーかすを撒いても効果が出ないのはなぜですか?
大きく育った雑草を枯らそうとしている場合は、撒き方よりも使うタイミングが合っていません。
コーヒーかすは即効性のある除草剤ではないため、まずは現在生えている草を抜いてください。
研究で雑草抑制が確認された施用量は10kg/m²と多く、家庭から出る少量のかすでは同じ効果にならない場合があります。
無理に量を増やさず、狭い範囲で発芽予防の補助として続けましょう。
Q:雨が降っても効果は続きますか?
弱い雨ですぐにすべての効果がなくなるわけではありませんが、強い雨ではコーヒーかすが移動します。
傾斜のある庭や排水口の近くでは、低い場所へ集まったり、敷地外へ出たりする場合があります。
雨上がりには地面を確認し、厚く固まった部分は広げ、流された部分へ少量を補ってください。
まとめ~コーヒーかすは除草の補助として使おう~
コーヒーかすには植物の発芽や生育を抑える性質がありますが、市販の除草剤のように、今生えている雑草をすぐ枯らすものではありません。
最初に草を抜き、その後の発芽を抑えたい狭い場所へ、乾燥させたかすを薄く広げるのが基本です。
コーヒーかすによる除草を試すなら、徹底して乾燥させ、育てたい植物やペットから離れた場所で少量から始めましょう。
広範囲に雑草が生い茂っている場合や、何度抜いても再発する場合は、家庭で出るコーヒーかすだけでは対応しきれません。
